数多の救いの手

出血が止まらない。

止血しても血が止まってくれない。

傷口から赤い血が流れ出す。

傷口の痛みを抱えていて痛みに耐えられない日々ばかりが続いている。

そう、私の心は傷だらけの血で赤く染まった痛々しい姿。
その傷を治療するためのばんそうこだらけの哀れな姿。

もはや、私は立ち上がるのもやっとな状態だ。

今日こそやばいかも……。

危機を感じた時に数多の手がこんな私を救おうとしてくれたのだ。

数多の手が私の傷口の治療をしてくれたのだ。

無償の愛での傷の手当てをしてくれたのだ。

痛みが少しづつ消えていった。

出血も少しづつ止まりはじめた。

やがて痛みも無くなり出血することも無くなった。

私の心は美しい淡いピンクの色になっていた。

ピンクの薔薇のような姿になっていた。

私はとても安らいでいて幸福感でいっぱいになっていた。

幸せであることがどんなに大切なことなのかを気付かされた。

私は嬉しさのあまりに涙を流した。

私を救ってくれた数多の手に感謝をした。

そして、私は心に誓ったのだ。

今度は私が心に傷を負っている人達に救いの手を差し伸べようと。

私がしてもらったことをそのまましてあげよう。

あの数多の救いの手の一つになりたい。

無償の愛での治療をしていこうと心に誓ったのだ。