巣。

とっくの昔に、私達の小鳥達は立派に育ち巣立ってしまった。

長く共にした父鳥は数年前にこの世を去った。私達は一心同体だった。

この巣に残されたのは、私一人となった。

今日はどう過ごそうか?

明日はどう過ごせば良いのか?

日々、襲ってくる寂しさや不安に悩まされる。

私の心の中身は何も無い空っぽ。

空箱みたいなもの。

この空になった箱の中に何かで埋められれば良いのだけど…。

その何かが見つけることが出来ないでいるのだ。

そして、今日も寂しさと不安と共にこの巣の中で一人過ごす。




最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。