あの頃の少年。

あの頃の少年に戻ったあなた。

純粋無垢だったあの頃。

あの頃の少年に戻ったあなた。

何も知らず楽しく過ごせていたあの頃。

あの頃の少年に戻ったあなた。

大人の世界は巨大で未知数だと思ってたあの頃。



あなたと私は幼馴染みで小さい時はあなたとよく喧嘩ばかりしていたわね。

あなたはガキ大将で女の子達にチョッカイを出してはあたしに怒られて逃げ回ってたわね。

勝ち気なあたしはガキ大将のあなたとよく言い合いばかりしていたわね。



あの頃の少年に戻ったあなた。

純粋無垢だったあの頃。

あの頃の少年に戻ったあなた。

何も知らず楽しく過ごせていたあの頃。

あの頃の少年に戻ったあなた。

大人の世界は巨大で未知数だと思ってたあの頃。




さあ、今日は天気が良いからあなたが大好きな大きくて広い公園に行きましょうね。

迷子にならないようにしっかり手を繋ぎながら歩いて行きましょうね。

えっ?靴の紐が結べない?はい、はい、結んであげますよ。

えっ?お腹が空いた?さっきオムライスを食べさせてあげたばかりでしょう。

本当に食いしん坊さんね。あの頃と変わらないわね。




少年に戻ったあなた。

純粋無垢だったあの頃。

少年に戻ったあなた。

何も知らず楽しく過ごせていたあの頃。

少年に戻ったあなた。

大人の世界は巨大で未知数だと思ってたあの頃。





お互いに年老いてしまったわね…。

ねぇ、あなたはあの頃の少年に戻ってしまったけど今のあなたから見たあたしはどんな姿?

お婆ちゃん?それとも…あの頃の少女のまま?


あら!?顔を赤く染めて俯いちゃった!!


あの頃、いきなり私に「好きだっっ!!」って言ってくれた時と一緒ね……。

凄く嬉しかったわよ。



さぁ、公園に着いたわよ。

あの頃、よく遊んで喧嘩ばかりした公園に。





少年に戻ったあなた。

純粋無垢だったあの頃。

少年に戻ったあなた。

何も知らず楽しく過ごせていたあの頃。

少年に戻ったあなた。

大人の世界は巨大で未知数だと思ってたあの頃。


 



最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。