タナトス。(後悔の数。)

昔は、よくタナトスは私に会いに来てくれてた。

 

美しいタナトスに憧れて、タナトスが住むところに連れていってとせがんでいた時もあった。

 

 

そんなせがむ私を、タナトスタナトスの住むところに本当に連れて行こうとした。

 

 

その時、私はなんだか恐くなって怯えて泣いてしまっていた。

 

 

こんな状態の私を見て呆れるタナトス

 

 

そっきり、タナトスは私の前からあらわれることは無かった。

 

 

でも、タナトスはいつかまた会いに来るのかも。

 

それが何時、何処かでなんかわからないけど。

 

 

 

あれから歳を重ねた私は思うことがある。

 

 

後悔の数を減らしていきたい。

 

後悔の無い生き方。

 

 

 

タナトスタナトスの住むところにまた連れていってくれる時は後悔する思いは無いようにしたいと強く思うようになっていた。

 

何時か、何処かで会ってしまう時までに。

 

 

 

最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。

エクスタシー。(真の快楽の園。)

エクスタシー。

エクスタシーが欲しいの。

エクスタシーは真の快楽の園。

誰もが行く事を望むエクスタシー。

 

 

真の快楽の園までに行くには真の快楽の門を開けなければならない。

 

開けられる人は限りがあると誰もが耳にする。

 

 

 

あたし達は門の前にすら辿り着けずにいる。

 

真の快楽の門の下で這いずり回る。

 

同じところをぐるぐる回りながら這いずり回る。

 

忘我を自らつくり出し現実乖離する。

 

 

 

ここでの暮らしはまんざらでもないわ。

 

サターンとは上手く付き合えているしね。

 

仲間も沢山いる。

 

 

己がためのエクスタシー。

 

 

真の快楽なんて必要ないわ。

 

一時のエクスタシーが欲しいのよ!!

 

 

 

エクスタシー。

エクスタシーが欲しいの。

エクスタシーは真の快楽の園。

誰もが行く事を望むエクスタシー。

 

 

最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。

ハルシノゲン。

何をさがしているの?

 

見つけようとするものは何なの?

 

どこをさがそうと見つかりっこないわよ!!

 

必要なものはアタシが隠し持っているからね!!

 

 

 

ハルシノゲンはアタシだけのもの。

 

ハルシノゲンはユートピアまで連れてってくれるんだから。

 

脳味噌の中を隅々刺激してくれるのよ。

 

くすぐるように刺激を与えてくれるの。

 

ハルシノゲンはアタシだけのものよ。

 

 

 

ピンクフロイドの「狂気」を聴きながら闇の感情に浸るわ。

 

マイルス・デイヴィスの「ビッチェズ・ブリュー」のアルバムを繰り返し何度も聴いていたいわ。

 

ヴェルベットアンダーグラウンドの「ヘロイン」に触れながら遊雅な日を過ごすのも良いわね。

 

久しぶりにゴアギルのDJプレイで異空間で踊りたいわ。

 

トラビス・スコットの「Kpop」でポップキャンディの極上な甘さを味わいたいわ。

 

 

 

用意は出来たわ。

 

環境を良くしてハルシノゲンで楽しむの。

 

バッドはブラックホールに投げ捨てるのよ。

 

 

 

 

何をさがしているの?

 

見つけようとするものは何なの?

 

どこをさがそうと見つかりっこないわよ。

 

必要なものはアタシが隠し持っているからね。

 

ハルシノゲンはアタシだけのもの。

 

ハルシノゲンとユートピアに行ってくるわ。

 

 

 

最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。

カルマ。

結局、似た者同士が集まるの。

 

異なる世界に身を置き換えたとしても似た者同士が集ってしまうの。

 

カルマ同士が引き寄せ合うの。

 

 

 

陰のカルマ、陽のカルマ。

 

吉のカルマ、凶のカルマ。

 

自律のカルマ、依存のカルマ。

 

苦のカルマ、楽のカルマ。

 

 

 

カルマはどこにあるの?

 

カルマはどの位置なの?

 

 

 

怠惰なカルマ。勤勉なカルマ。

 

愛のカルマ。無関心のカルマ。

 

充実なカルマ、空虚なカルマ。

 

鬱なカルマ、躁なカルマ。

 

 

 

似た者同士が引き寄せ合ってしまうの。

 

意識せずとも自然と集まってしまうの。

 

 

 

悪のカルマ、善のカルマ。

 

賛美のカルマ、罵倒のカルマ。

 

可能なカルマ、不可能なカルマ。

 

 

 

私のカルマはどこにあるの?

 

カルマ、カルマ、カルマ。

 

 

結局、同じカルマといると安心して幸せな気持ちになるの。

 

 

 

 

最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。

ピンクの貝殻。

夏の暑い日にあたし達はお揃いのワンピースを着て手を繋いで海岸を歩ったね。

 

とっても暑くて日差しが眩しかった。

 

青い空と青い海に見守られながら抱き合ってキスをしたね。

 

 

 

海岸にはピンクの貝殻が散りばめたように沢山落ちていた。

 

2人でピンクの貝殻を拾ったよね。

 

お互い拾ったピンクの貝殻を交換したよね。

 

そのピンクの貝殻は2人の大切な宝物。

 

 

 

目を見つめ合いながら長いキスをしたね。

 

あなたの体は柔らかく抱いてて心地良さを感じた。

 

風で揺られるあなたとあたしの長い髪が絡み合っていた。

 

2人の絡み合った髪からは優しさのある良い香りがした。

 

 

 

 

夏の暑い日にあの海岸で2人で拾った大切な宝物。

 

あなたとあたしの証。

 

お互いの証を交換したピンクの貝殻。

 

 

 

 

 

最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。

未来の自分。

未来の自分に会った。

 

80歳位に年老いた自分に会った。

 

老人になった自分は僕に言った。

 

 

 

「君に触れたい。」

 

「君の身体を愛撫したい。」

 

「私の横で煙草を喫(の)んでいて欲しい。」

 

 

 

未来の自分に会った。

 

すっかり、おじぃちゃんの姿になっている自分に会った。

 

おじぃちゃんの自分は僕に言った。

 

 

 

「手を握りたい。」

 

「強く抱き締められたい。」

 

「君の話を沢山聞いていたい。」

 

 

 

 

あの日、数時間一緒に過ごした人はとても穏やかな人で優しい人だった。

 

そして、清潔感もあってお洒落な人だった。

 

こんな素敵な歳を重ねていきたいなと思わせる人だった。

 

会ったのはその日で最初で最後だった。

 

 

 

数十年経った今でもその人をよく思い出す。

 

未来の自分の姿と重ねながら。

 

 

 

 

最後までお読み下さりありがとうございま。

雅蓮。

ミイラ。

ろくに栄養を与えないもんだなら、カリカリに痩せちゃって……。

 

ろくすっぽ潤いを与えないもんだから、カサカサに乾ききっちゃて……。 

 

 

カリカリのカサカサ。

 

カリカリのカサカサのミイラのような状態になった「心」。

 

 

栄養失調の心。

 

乾燥した心。

 

ミイラの心。

 

 

感性や創造性を育むことを忘れ去ってしまった。

 

何が美しくて何が楽しいのかさえわからない。 

 

 

カリカリのカサカサの心。

 

不感症となった心。

 

ミイラの心。

 

 

やがては訪れる、怨毒の日々と自己憐憫に陥り入り続ける生活。

 

悪のスパイラルの入り口は目の前まで来ることとなる。

 

取り返しの付かなくなってしまうミイラの心。

 

 

栄養失調の心。

 

乾燥した心。

 

カリカリのカサカサの心。

 

不感症の心。

 

まるで、ミイラのような状態になった「心」。

 

 

 

 

 

最後までお読み下さり誠にありがとうございます。

雅蓮。