未来の自分に会った。
80歳位に年老いた自分に会った。
老人になった自分は僕に言った。
「君に触れたい。」
「君の身体を愛撫したい。」
「私の横で煙草を喫(の)んでいて欲しい。」
未来の自分に会った。
すっかり、おじぃちゃんの姿になっている自分に会った。
おじぃちゃんの自分は僕に言った。
「手を握りたい。」
「強く抱き締められたい。」
「君の話を沢山聞いていたい。」
あの日、数時間一緒に過ごした人はとても穏やかな人で優しい人だった。
そして、清潔感もあってお洒落な人だった。
こんな素敵な歳を重ねていきたいなと思わせる人だった。
会ったのはその日で最初で最後だった。
数十年経った今でもその人をよく思い出す。
未来の自分の姿と重ねながら。
最後までお読み下さりありがとうございま。
雅蓮。