白い翼

背中に白い翼が二つついているのは自分だけだった。

自分以外の人には翼がついていなかった。

この翼のせいで、人から指を指された。
この翼のせいで、白い目で見られた。
この翼のせいで、聞きたくない言葉を浴びせられた。
この翼のせいで、生傷が絶えなかった。

家族でさえこの翼を哀れんでいた。
この翼が嫌いで惨めな思いをして何時も悲しい気持ちでいた。

何故、自分だけが白い翼が二つ背中についているのだろうかと悩む毎日だった。

ある日、この翼が好きだと言ってくれる人達がいた。
他の人達には無いこの翼を綺麗だよと言ってくれる人達がいてくれたのだ。
僕は彼等の言葉で救われたのだ。

この翼のお陰で、温もりを感じられた。
この翼のお陰で、優しさを感じられた。
この翼のお陰で、感謝することの大切さを学べた。

またある日、自分と同じような翼を二つ背中についている人と出会えた。

その人とは直ぐに親しくなることが出来た。

そして、お互いに翼を羽ばたかせて手を繋いで夜空を思いっきり自由に飛んで楽しんだ。

二人とも美しく輝く星達に囲まれながらきらびやかな夜空の中を飛び回ることが出来た。

二人だけの世界でお互いの翼を撫で合ったりして強く求め合った。

この翼のお陰で、貴重な出会いが出来た。
この翼のお陰で、過去は無駄では無かったと思う事が出来るようになった。
この翼のお陰で、幸せについて深く考えられるようになれた。

ありがとう私の白い翼。

この翼は沢山の事を私に教えてあらゆる事を気付かせてくれた。

この翼は私の大切な一部。

この白い翼に感謝をして大事にしていきたいと強く思うのであった。