とあるホテルでの一室で。

とあるホテルでの一室で。

二人は激しく求め合っていた。
甘い蜜を舐めあっていた。
快楽を分かちあっていた。
彷徨に満ち溢れた時間を共に過ごしていた。

とあるホテルでの一室で。

二人は気付きはじめていた。
最初は単なるお遊び程度だった。
今までのことは危険な行為なんだと感じはじめている。そして自己満足でしかない思っている。

とあるホテルでの一室で。

二人は我にかえり現実を見はじめている。
甘い蜜が毒なんだと感じている。
快楽とは逆の方向に進みはじめていると直感した。
今までの二人の行為のお陰で何かが崩れてしまっていた。

とあるホテルでの一室で。

これまでの二人の行いは自業自得だと思いはじめた。
彷徨とした暗闇が地獄の苦しみのごとく光となって二人を照らしだす。
過ぎるものには悪魔、隙間には死神たちから見張られている。
二人は大罪をおかしたことに対して酷く怯えて後悔していた。