空と金魚鉢。

晴れた日に、雲ひとつない青空を眺めてみた。

空から何者かに見られている気がした。

夜、満点の星屑の夜空を眺めてみた。

空から何者かに観察されている気がした。

雨が降る日に、灰色の空を眺めてみた。

空から何者かの視線を感じた。

夕暮れ時、赤く染まった空を眺めてみた。

空から、いくつかの瞳をのぞかせていた。

雪が降る日に、真っ白い空を眺めてみた。

空から、優しい眼差しをこちらに向けていた。

空を眺めている時、何時も思ってしまう。

この世界が金魚鉢の中だったら……と。

私達も金魚のように何者かに観賞されていたとしたらと。

そう思うと不思議と気持ちが軽くなる。

今日も空を眺めてみる。

そして、何者かに空から見守られているんだなと思ってしまう。