仕事を終えて家に帰るため、バスに揺られながら乗っていた。
私は車窓越しから見ることができる町並みを眺めるのが好きで、今日も夜の町並みを眺めながらバスに揺られていた。
何時もと変わらない同じ町並みなのに、朝と夜では風景の感じが全く違うんだよなとしみじみ思ってしまう。
その時、ふと窓に写し出された自分の顔と目が合ってしまった。
しばらく自分の顔をじっと見つめてみることにした。
顔の中の線がまた数本、増えていた気がした。
髪の毛の色が黒とは反対の色が多くなったみたいだった。
一緒にバスに乗り合わせている、スマホを夢中になっていじっている大学生っぽい女の子やウォークマンで音楽を聴きながら自分の世界に浸っている男子高校生。
私は彼等を何気に見た時に彼等をちょっと羨ましいなと感じた。
車窓の中の私の顔を再度、見つめてみた。
車窓の中の私にちょっと微笑んでみた。
なんだか、自分を愛しく感じた。