人魚。

゛遠い昔の海。それは、それは、美しかった。 どこまでも果てし無く青く透き通っていた海の世界。皆が豊かに暮らせていた。゛……と云う。 私の祖先から伝えられた言葉だった。私が今、住んでいる海の世界は昔の海の世界とは真逆な環境になっていた。 私は人魚…

血と涙の絵。

白い画用紙の中に赤い血がポトポト垂れていたんだ。容赦無く流れ出す赤い血。白い画用紙の中にポトポト垂れていたんだ。そのうち、白い画用紙の中に血の水溜りができていたんだ。白い画用紙の中の赤い水溜り。その中におちていきたい。 その中で深い眠りにつ…

最高。

罪無き(?)人々から石を投げられた。罪無き(?)人々から石を投げられた。罪無き(?)人々から石を投げられた。 ねぇ、石を投げつられるあなた。あなたは、悪くないよ。何も悪いことはしていないんだよ。あなたらしく生きているだけなんだよね。あなたは…

あの頃の少年。

あの頃の少年に戻ったあなた。純粋無垢だったあの頃。あの頃の少年に戻ったあなた。何も知らず楽しく過ごせていたあの頃。あの頃の少年に戻ったあなた。大人の世界は巨大で未知数だと思ってたあの頃。 あなたと私は幼馴染みで小さい時はあなたとよく喧嘩ばか…

紫煙(しえん)

紫の煙を吸っては吐く。俺の大好きな紫の煙。紫の煙を吸っては吐く。俺にとって一番楽しめる時間なんだ。紫の煙に纏われていたいんだ。 最近、面白いことに俺が強く念じた時、口から吐いて出た紫の煙が俺自身へと化すことできるよになったんだ。今日ももう一…

ミラーボール。

良い加減にしてよ!!これ以上、付き纏わないでよ!!あたし達、無かったことの関係になったのよ!! 会えない夜を泣いて過ごすなんて時間の無駄だった。 火傷の痛さを我慢し続けるなんてまっぴらごめんだわ!! 週末、都会の場末のディスコで出会ってしまっ…

時空。

僕と君は真逆で表裏一体。君と僕は対照的であっても二人で一つなんだ。 僕が「時」。 君が「空」。 君が「時」。 僕が「空」。 時を越え君の前に現れる。空を過ぎゆき僕の前に現れる。時を越え僕の前に現れる。空を過ぎゆき君の前に現れる。 お互いが存在す…

ゾンビ。

ゾンビ達は毎日、利益のみを好む猛者に才能、精神を搾取されるために目的地まで行進している。 増えていく、ゾンビ。群れたがる、ゾンビ。 ゾンビ達は夢や希望を諦らめさせられ、暗闇のとゆう名の籠に閉じ込められてしまっているのだ。 悲しい、ゾンビ。哀れ…

ブルックスブラザーズのスーツが良く似合う男。

ブルックスブラザーズのスーツが良く似合う男。彼の虜になっていた。ブルックスブラザーズのスーツが良く似合う男。彼のためなら全てを許せた。ブルックスブラザーズのスーツが良く似合う男。彼から極上の幸せを与えてくれた。 彼は愛する大切な人達がいると…

皮と骨。

今日もあたしは注目の的。どこに行くにも沢山の視線があたしに集まるわ。色々な人達があたしを羨むように見るのよね。まるで、有名なスターにでもなれた気分だわ。なぜって?それは、あたしが美しすぎるからでしょうね。 あたしは、長く努力してこの美貌を手…

巣。

とっくの昔に、私達の小鳥達は立派に育ち巣立ってしまった。長く共にした父鳥は数年前にこの世を去った。私達は一心同体だった。この巣に残されたのは、私一人となった。今日はどう過ごそうか?明日はどう過ごせば良いのか?日々、襲ってくる寂しさや不安に…

今日はクリスマス、楽しいクリスマス、大好きなクリスマス。

今日はクリスマス。楽しいクリスマス。大好きなクリスマス。 ボクは一年で一番、クリスマスが大好きな日なんだ。でも、今年もお家でクリスマスを楽しむことができないんだ。ボクは重い病気にかかっていて、病院のボクのいるお部屋からでられないんだってさ!…

どす黒く赤い薔薇と青い薔薇。

どす黒く赤い薔薇。どす黒く赤い薔薇を咲かせてしまった。どす黒く赤い薔薇が咲き乱れでしまっている。どす黒く赤い薔薇は「憎悪」「悲しみ」「絶望」「嫉妬」を栄養にして咲かす薔薇。どす黒く赤い薔薇を咲かせ続けると身体中が痛み出し火に焼かれたように…

パワースポット。

私の住んでいる家はお世辞でも綺麗で広いとも言えない古い家。築年数がだいぶ経った古い木造の家。 それでも、私はこの古い木造の家が大好きで住み心地がとても良いと感じるの。 私にとって古い木造の家がパワースポットな の。 家の中はお花や観葉植物が所…

迷子。

私は今、元いた場所に戻っているところだ。そう、私は原点に帰っているところ。 こんなはずでは無かったのに…。こんなことになるだなんて…。こんな自分で良いのだろうか…。こんな生き方で良いのだろうか…。これからどうしていけば良いのだろうか…。 かつての…

ダイヤモンド。

何よりも美しく輝くダイヤモンド。何よりも強いダイヤモンド。何よりもかたいダイヤモンド。 お互いがまだ、若かった頃。あなたに出逢ったあの日を懐かしく感じるわ。出逢ったあの日から今日まで長い年月が経ってしまったわね。一緒に歳を重ねてきたわね。放…

幸せバッグ。

人からいただいた幸せを何時もかかさずに「幸せバッグ」に入れて幸せを沢山集めているの。 幸せ!!と感じた時に、幸せをくれた人達に感謝しながら幸せをバッグの中に入れておくの。 大切に持っている「幸せバッグ」。大事に持っている「幸せバッグ」。幸せ…

底辺。

どうやら、底辺と言われている所まで転げ落ちてしまったようだ。 今まで苦労して手に入れたものも全て失ってしまった。 あんなに祭り上げてくれていた多くの人々も全員私から去って行った。 本当に底辺まで落ちてしまったのだ。 全部がどうでも良くなった。 …

古傷。

遠い昔に傷つけられた古い傷あと。 今も残されている古い傷あと。 この古傷がたまに疼いて痛みだす。 痛む古傷が辛かった過去を思い出させる。 消えて無くなってくれない傷の痛みと傷あと。 痛みに苦しみ耐えている時、「他者に同じような痛みを与えてはいけ…

雨降る夜。~音楽祭~

雨降る夜。 傘をささずに何処かを目指してひたすら走っていた。 雨にうたれ続けながら走っていた私は疲れきってしまい走る足を止めた。 その場にうずくまってしまい動けなくなってしまった。 雨は容赦なく強く降り続けていた。 雨にうたれながら考えた。 私…

庭園。

君と僕とでつくりあげた庭園。 君と僕とでつくりあげた自然豊かな庭園。 僕たちの庭園には緑の草木が沢山あって色彩ある花たちは何時も美しく咲いてくれているね。 池には鴨たちが心地良さそうに浮いていたり愉快に泳いだりしいるんだ。 誰も知らない君と僕…

鎖。

身体中に巻き付いている鎖。 きつく巻き付く鎖。 ズシリと重く巻き付く鎖。 動こうとするとこの身体中に巻き付いている鎖のせいで動くことが出来ない。 長いことこの鎖のせいで身動きがとれずにいる状態だった。 この鬱陶しく思う鎖の原因はわかっていた。 …

一輪の花。

どうしたの? 今日のあなた、疲れているみたいね。 何かあったの? 最近のあなた、少し怒りっぽいのね。 大丈夫? 身体の調子が良くないみたい。具合が悪そう。 平気? 悲しいことでもあったの?そんなに、泣くことでもあったの? 安心してよ。 私があなたが…

終わりの扉~始まりの扉。

ようやく終わりの扉を開けることが出来た。 終わりの扉までたどり着くのに幾多の苦難もあ った。 感無量の思いを抱きながら終わりの扉を開くことが出来た。 開いた先に待ち受けいたものは……またしても「扉」であった。 始まりの扉。 始まりの扉の先はどんな…

カレーライス。

彼と同棲しはじめて2年目になろうとした日に、彼から夕飯にカレーライスを食べたいと珍しくリクエストされた。 彼は豚バラ肉にジャガイモ、人参の入った平凡な家庭料理のカレーを好んだ。なので、夕飯に彼好みのカレーをつくった。 夕飯の時間になり、何時…

夜汽車。

後ろを振り向いてはいけないわ。前だけをみて突き進むのよ。 必要最低限なものだけが入れてあるボストンバックと僅かな所持金だけを持って今夜、旅立つことを決めたの。 あの夜汽車に乗ってどこか遠く離れた見知らぬ土地まで連れていってもらうの。 酷く傷つ…

愛する人よ。

愛する人よ。遠く離れていようとも、あなたの温もりを感じとれる。愛する人よ。遠く離れていようとも、あなたが笑顔でいられているのを感じとれる。愛する人よ。遠く離れていようとも、あの広い空をあなたと一緒に眺めることができる。愛する人よ。遠く離れ…

訂正でございます。申し訳ありません。

先日、掲載致しました、「いつも心のポケットにバッハのカノン」について訂正させていただきました。 訂正。「バッハ」ではなく「パッフェルベル」でござました。申し訳ありません。教えて下さった、石畳のん様。白魔女様。ありがとうございます。今後、気を…

御褒美の時間~まったり、のんびり、ゆっくりと。

効率ばかりが求められてしまう日々。 部屋に飾られている風景画をまったりと観賞する時間があっても良いのかな。 する事が多過ぎて忙しいばかりの日々。 のんびりと美しい音楽に触れて心に栄養を与えてくれる時間があっても良いのかな。 数字を基準についつ…

赤ちゃん天使。

僕がまだ幼児期だった頃に小さな赤ちゃんの天使が一人、僕のまわりを白い羽をパタパタさせながら飛んでいた。 ニコニコと笑顔を絶やさずに白い羽をパタパタさせながら僕のまわりを飛んでいたんだ。 たまに、僕の肩に乗って羽を休ませて居眠りをしてたりもし…